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ゼロから知る!農業経営で大切な『数字』の基礎知識:未経験者のための資金管理と会計入門

Tags: 農業経営, 資金繰り, 会計, 税金, 未経験, 基礎知識, 資金管理, 収入, 支出

農業を始めたいという想いはあるものの、「経営」となると難しそうで、特に「数字」の話には苦手意識がある、という未経験の方は少なくありません。作物を育てる技術はもちろん大切ですが、農業を事業として継続し、安定した収入を得ていくためには、経営状況を数字でしっかり把握することが不可欠です。

この記事では、農業未経験の方がまず知っておくべき、農業経営における「数字」の基礎知識を分かりやすく解説します。収入と支出の考え方、資金繰りの重要性、そして会計や税金の基本について、一つずつ見ていきましょう。

なぜ農業経営で「数字」の管理が重要なのか

なぜ、農業の技術だけでなく、数字の管理もそれほどまでに重要なのでしょうか。主な理由は以下の通りです。

「数字は苦手だから誰かに任せたい」と思われるかもしれませんが、ご自身の経営の根幹に関わる部分ですので、最低限の知識はぜひ身につけてください。

農業経営で最低限知っておきたい「数字」の基本用語

まずは、農業経営で頻繁に出てくる基本的な数字に関する用語をいくつかご紹介します。

これらの用語は、後述する日々の記録や会計の基礎となります。

収入と支出を記録する「帳簿」のつけ方

農業経営の数字を把握する第一歩は、日々の収入と支出を記録することです。これを「帳簿をつける」といいます。

難しそうに聞こえるかもしれませんが、最初は特別な知識は必要ありません。

どの方法を選ぶにしても、「毎日記録する」ことが重要です。まとめてやろうとすると、忘れてしまったり、レシートや請求書をなくしてしまったりして、正確な記録が難しくなります。最初は簡単な形式で良いので、まずは記録する習慣をつけましょう。

農業特有の「資金繰り」の注意点

農業の収入と支出には、季節による変動が大きいという特徴があります。

このため、収穫期までの間、収入がないのに経費の支払いだけが続く、といった状況が発生しやすくなります。利益が出ているはずなのに、手元に使えるお金がない「黒字倒産」といった事態を避けるためにも、資金繰りの計画と管理が非常に大切になります。

資金繰り管理のポイント:

最初は完璧でなくても大丈夫です。まずは、いつ収入があり、いつ大きな支出があるかを把握するだけでも、資金繰りの不安は大きく軽減されます。

農業と「税金・会計」の基礎知識

農業で収入を得るようになると、税金に関する手続きが必要になります。

簿記や会計の知識がないと難しく感じるかもしれませんが、まずは日々の取引をしっかり記録することから始め、確定申告の時期になったら、税務署や税理士に相談しながら進めていくのが良いでしょう。

どこに相談できる?

農業経営の数字や会計・税金について不安がある場合、相談できる窓口があります。

これらの窓口を活用し、一人で抱え込まずに専門家や支援機関の助けを借りることをおすすめします。

まとめ:まずは「記録」から始めてみましょう

農業未経験者にとって、農業経営の「数字」は難しく、敬遠されがちな分野かもしれません。しかし、安定した農業経営を続けるためには、売上や経費、資金繰りをしっかり把握することが不可欠です。

この記事でご紹介した内容は、農業経営の数字に関するごく基本的な部分ですが、まずはここから始めてみましょう。

  1. 日々の収入と支出を必ず記録する習慣をつける。 (手書き、Excel、簡易ソフトなど、やりやすい方法で)
  2. 記録した数字から、売上、経費、利益がいくらくらいなのかを把握してみる。
  3. お金がいつ入ってきて、いつ出ていくのか、年間の資金の流れをイメージしてみる。

完璧を目指す必要はありません。まずは「見える化」することから始めてください。数字が分かれば、次に何を改善すればよいか、どこに問題があるのかが見えてきます。

数字は、あなたの農業経営という船を、安全に、そして目標に向かって進めるための羅針盤のようなものです。一つずつ理解を深め、使いこなせるようになれば、就農への不安も和らぎ、より現実的で確かな一歩を踏み出せるようになるでしょう。

困ったときは一人で悩まず、地域の相談窓口や専門家を頼ってください。